遠隔授業準備のための覚書

公開 2020年4年13日
WebClassメンテナンス 2020年6月6日
(この文書は、久保山個人のメモです。学習院大学計算機センターとしての文書ではありません)

授業開始日目


【WebClassについて】


このメモの目的

昨年度までと同様の授業準備をして、ライブ中継で学生に授業を届けることができる環境は、授業開始日に存在しないと考えてください。そのため、各教員が遠隔授業でできることを検討し、できるだけ早く準備にとりかかる必要があります。

遠隔授業では、システム操作などの技術面の習得のハードルが非常に高いと感じておられる教員が多いのではないでしょうか。しかし、それ以上に、従来の授業とは異なる授業方法に対応した教材を準備することの方が、はるかに難しく時間を要する作業であると(実際に準備をはじめてみて)感じています。

まずは、学習院大学理学部のワーキンググループによって作成された現時点でもっとも充実した遠隔授業の手引「学習院大学理学部における遠隔授業について」(https://www.sci.gakushuin.ac.jp/remote/)をご一読ください(以降、「理学部遠隔授業の手引」として参照)。理学部以外の教員にもほとんどそのまま当てはまる情報です。このメモはその他留意すべき遠隔授業に関する情報で、もっぱら学習院大学ローカルな事柄を(確定情報でないものも含めて)提供する目的で作成しました。

文科省の指針の「理学部遠隔授業の手引」による要約では

遠隔授業になっても学年暦通りに通常の対面講義を実施したのと同じレベルの教育をすることが求められている

となっており、遠隔で「同じレベルの教育」というのに怯んでしまいます。どうすれば、これが実現できるのか悩むのはもう諦めて、とにかくできる範囲で準備をして授業を5月11日から確実にはじめられるよう備えましょう

遠隔授業の分類

遠隔授業について、学内文書では様々な言葉が使われていますので、まずは整理します。

graph LR Class[遠隔授業] --> ASyn(学生が必要に応じて授業資料を取得) Class --> Sync(ライブ中継) Sync --> SynClass[同時配信授業] ASyn --> OnDemand[オンデマンド授業] OnDemand2[オンデマンド授業] --> pdf[文書資料のみの授業] OnDemand2 --> movie[音声や動画を含む授業] style Class fill:#ffe,stroke:#333,stroke-width:2px style ASyn fill:#eee,stroke:#333,stroke-width:0px style Sync fill:#eee,stroke:#333,stroke-width:0px style pdf fill:#fee,stroke-width:1px style movie fill:#fee,stroke-width:1px

オンデマンド授業の準備

このスケジュールは目安に過ぎません。正確な情報は一次情報にあたってください(特にWebClassの情報は現時点では不確定です)。

gantt title 授業準備スケジュール(目安) dateFormat YYY-MM-DD axisFormat %m/%d section 学生 履修登録 : a1, 2020-04-20, 4d 履修修正 : a1, 2020-04-30, 2d 授業開始 :crit, c2, 2020-05-11, 1d section 教員 授業準備 :active, c1, 2020-04-20, 2020-05-11 授業開始 :crit, c2, 2020-05-11, 1d section WebClass クラス登録 : w1, 2020-04-20, 2020-04-21 学生登録 : w2, 2020-04-27, 2020-05-07

現時点でもっとも現実的な授業形態。以下の1〜3の中から選択してください。当面は学生の受信環境やネットワークの輻輳を考慮して2を推奨。(「理学部遠隔授業の手引」を参照)

  1. 文書(PDF)
  2. 文書(PDF)+音声(mp3)
  3. (文書(PDF))+動画(mp4)

音声・動画ファイルを作成する

録音のためのツール

選択肢は非常に多いので、WindowsでもMacでも共通に使えるものを1つだけ紹介しておきます(前掲の田崎先生のページでも既に紹介されています)。

教材のスマートフォンでの見え方をPC上で確認する

作成した授業資料が学生に読めるのかどうかを確認してください。Webブラウザの Google Chrome を使うと、(PDFファイルのようにWebブラウザで開けるファイルであれば)簡単に確認ができます。

スマートフォン画面での操作は不安定ですので、先に通常の大きさの画面で目的の文書を表示させてから、スマートフォンの大きさに切り替えてください。

学生の環境

学習院大学のWebページ「新型コロナウイルス感染症に関する本学の授業、各種行事、イベント等の実施について」(2020.4.6) https://www.univ.gakushuin.ac.jp/news/2020/0406-4.html

①授業開始時期は、5月11日(月)に繰り下げる。その際に、授業の形態としては、当面はオンデマンド・オンライン等授業を取り入れる

に加えて、以下の要求が出されています。

④自宅にインターネットで学修できる環境(Wi-Fi等)・設備(理想はカメラとマイク付きのパソコン)がない場合は、授業開始日までに準備すること。(授業開始後も当面はスマートフォンで受講できるように開講する。)

当面 Webカメラやマイク、Wi-Fiルータ等、同時配信・双方向の遠隔授業に必要な機材は品薄ですので、授業を履修している学生の状況が把握できないかぎりは、スマートフォンで、かつ遅い回線での受講を前提とする必要があります。

学生との連絡手段

学生にレポートを課すときのファイル形式

Microsoft Word, Excel, PowerPoint 等でレポートを作成できない学生がいることを考慮してください。また、「テキストファイルで作成するように」と言っても、「テキストファイル」をどう作成するのか伝わらない可能性があります。Microsoft Office の各種ファイル形式に保存でき、無料で使えるツールがあります。課題は基本的機能でできることのみにとどめ、過度の互換性を要求しないようにしてください

MS-Office LibreOffice Google
Word Writer ドキュメント
Excel Calc スプレッドシート
PowerPoint Impress スライド

対応例

資料配布の最後の手段: PDFファイルを印刷して郵送してくれるサービス

郵便局のWebレータサービスでは、PDFやWordファイルと住所リスト(csv形式)をアップロードすると、印刷して郵送してくれます。
https://www.post.japanpost.jp/service/webletter/


WebClass・ポータル関連の情報

WebClass ことはじめ

WebClassを使うのが初めての方は、とにかく、まず最初に毎回の授業の資料をおさめる箱をつくりましょう。これがWebClassでは最初わかりにくい!この箱(フォルダみたいなもの)がWebClassでは「ラベル」と呼ばれています(熊井先生の動画をみてなるほどと思いました)。とにかく毎回の授業分の箱をつくって、その中に教材を放り込めばいいのだと思えば、なんとかなります。

ラベル 教材(教材を作成する から選択)
共通 掲示板
第1回 資料, テスト
第2回 資料, チャット, レポート
第3回 資料, チャット, テスト
: :
  1. コースと1つ選択する → 上のタブにある 教材一覧 を選択する
  2. 右のメニューから 教材並び替え/ラベル設定 を選択する
  3. 新しいラベル をクリックして、「共通」、「第1回」、「第2回」…と、まずは教材をまとめる箱(ラベル)を作成する
    (ラベルの順番はドラッグ&ドロップで入れ替え可能)
  4. ここまでできたら、上のタブから 教材 ▼→教材一覧 に戻る
    (授業ごとの箱ができて少し安心感がありませんか?)
  5. 後は、右のメニューから 教材を作成する を選び、自分が作ったPDFやWordファイルなどを掲載する。このときに、既に作成した箱(ラベル)のどこに入れるかを選択できるようになっている。

WebClass 関連の Q&A

予想される混乱

学内のサポート体制・PC環境

ポータルサイトと学習支援システム(LMS)の所管はバラバラです。いずれも教務にからむので教務課は関わりますし、共通のユーザー認証については計算機センターが関わります。

システム 所管
G-Port 教務課
manaba 経営企画課
WebClass 計算機センター

計算機センターの遠隔授業における役割

現状では、なにより法人全体の教育・研究のためのネットワークインフラの可用性を保つことが最優先です。遠隔授業に関しては主として以下の技術サポートをしています。

Zoomによる授業の手引を教務課で準備中です。Zoomのセキュリティに対する企業姿勢に懸念があるため、計算機センターからは積極的なZoomの利用サポートはしません(利用を促進する手引等は作成しません)。

学習院コンピューターシステム支援組織でできること

WebClass の基本操作について、問合せ内容等をふまえた標準的な手引を作成する予定です。授業開始日が近づくにつれ個別対応はほとんどできなくなるとお考えください。現在、感染防止のためアルバイトの出勤人数も削減した中で対応にあたっています。支援組織にも遠隔授業の経験の蓄積はなく、問合せの都度、調査をして回答しています。そのため、問合せ集中により機能不全となることが予想されます。

このような状況で、すでに一部の学部やセンターで遠隔授業準備のための具体的な検討が進んでおり、自助・互助の体制ができあがりつつあります。支援組織にも情報を共有していただけると情報を総合できると思います。

新たな問合せ人員の確保と、遠隔授業の問合せ窓口を設置するよう要望を出しています(この問合せには支援組織も共同で対応にあたります)。

計算機センターのコンピューター実習室利用について

中国の事例では、コンピューターのキーボードやマウスから新型コロナウイルスが検出され、感染リスクとなっていることが報告されています。利用者や、利用者の補助にあたる実習室のアルバイトへの感染防御のための実効性の高い対策が現在のところないため開室を見送っています。


参考情報

学内

学外


この文書の問合せ先: 久保山 (ori-remote2020@tk.cc.gakushuin.ac.jp)

共有した方がいい情報や間違い等がありましたら、お知らせください。
個別の授業準備に関する質問・相談は支援組織(https://www-cc.gakushuin.ac.jp/~support/)へお願いします。